
飲食店だけじゃない!調理の専門性を活かせる業種職場
調理師専門学校を目指す学生さんの多くは、「食」に対して何かしら興味・関心があったり、将来的に「食」に関する仕事に就きたいと考えているかと思います。食に関しては、人間が生きていくうえで最低限必要な3つの生活要素でありますので、ある意味
仕事には困らない安定した職種
とも言えるかもしれませんし、安定を求めて食に関する仕事を目指すという学生さんも一定数おりますが、そもそも調理師専門学校を卒業したあとは
・どのような会社に就職するのか? ・どのような職種があるのか? ・自分自身がその職場で活躍できるのか?
などといった不安や悩みは絶えないものですので、必ずしも学校卒業後に安定が得られるという安易なものではないという点は認識しておくべきかと思います。
そのためにも、各調理師専門学校においては、卒業後の進路やOG/OBの活躍といった情報を提供しており、当校でも「▼就職・卒業生の声」を多数公開しておりますが、ここで覚えておきたいのが
職種の選択肢はそれだけでない
という点であり、「調理の専門性を活かせる職業は無限大」ということも覚えておくようにしましょう。もちろん、学校卒業後の進路としては、飲食店やホテルレストランのほか、病院や学校などの給食施設などが代表的な就職先ではありますが、専門学校入学時点で、就職先や職種を決めておく必要はありませんし、学校の授業を通じて
就職や職業に対する考え方も変わる可能性
もありますので、視野を広げて様々な職業への理解を深めることも重要です。 学生さんのなかには、卒業後の就職先については漠然としたイメージしかないという人もいれば、すでに自身の将来像を見据え、夢を実現させるために準備をしている人もいることでしょう。さらに言えば
就職が目的ではなく社会に出て自立できるか?
ということの方が重要ですので、飲食店や給食業界に捉われず、広い視野を学生のうちに培って、調理の専門性を活かせる業種の選択肢を広げておくことを心がけるようにしましょう。現代社会では、SNSといったツールを活用し、
調理師の枠組みを越えて活躍をしている人
も決して珍しくありません。
海外で寿司職人としてデビューしたり、ラーメン店を開業したり、フードトラックで独立したり、料理系インフルエンサーとしてメディアに出たり、考え方ひとつで可能性は無限大にありますので、そのへんも踏まえて調理師専門学校卒業後の進路の豊富な選択肢」という点について、この記事で改めて検討していきましょう。
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フードトラックから海外独立開業まで~資格を活かしてキャリアアップ
調理師や食に関する職種に限ったことではありませんが、社会に出て活躍するためには、ある程度段階を踏んだり経験を積む必要があり、いきなり成功を掴むといった夢物語は存在しません。卒業後の進路については、多くの学生さんが悩むところではありますが、自身で職業を選択する以上「失敗」ということはなく、その職場でも何かしら得られるものが必ずあり、
ステップアップするための踏み台
と考えることが大切です。
踏み台と言うと語弊があるかもしれませんが、最初に勤めた会社がすべてという訳ではなく、その会社で携わった業務を身に付けたことで、新たな視野を持つことができたり、違った職種に興味を持ったりすることは往々にありますので、
自身の経験に合わせて段階的に視野を広げていく
ということを念頭に置いておくようにしましょう。
もちろん、専門学校で学び、身に付けた技術をフルに活用できるのが、飲食店であったり給食会社だったりしますので、そうした職種においても自身の腕をさらに磨くのに適していますし、新たな学びも多いはずです。(給食業界への就職の魅力は次回記事にて紹介します)ただし、それだけに捉われるのではなく、せっかく取得した調理師免許という資格を活かすのであれば、例えば
・コンビニの商品企画・開発に関わる仕事
・食品工場などでの食品衛生に関わる職種
・海外で引き手あまたの和食レストランシェフ
いずれも、調理師免許の有無によって社会的信用も違えば、待遇においても「調理師免許保持者優遇」といった条件が付与されているケースも多い傾向にあります。また、資格があると責任あるポジションに就きやすかったり、近年では、食品衛生のプロであるHACCPコーディネーターなどの引き合いも高まっておりますので、
調理師免許を活かせる職種は増加傾向にある
と言っても過言ではないでしょう。
また、近年では学生のうちから海外進出を志す生徒さんも増加傾向にあり、「いずれは海外で自身の店を持ちたい」といった明確な夢を持っていたり、「フードトラックで自分だけの城を持ちたい」という人も増えてきております。現代社会においては、SNS等の普及によって、これまで現実的ではなかった
無謀とも言えるチャレンジが現実味を帯びている
ということも言えますので、若いうちにしかチャレンジできないことを若いうちにやっておきたいという想いは、仮にそれが結果的に失敗だったとしても、きっと人生の糧として、今後のステップアップやキャリアアップに役立つ経験となることでしょう。もちろん「無謀」と言えど、しっかりと準備や段階を踏む必要があることはお忘れなく・・・
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世はSNS時代!フードコーディネーターや料理研究家という選択肢も!?
前段では、調理師資格を活かせる職種や段階・経験を積むことの重要性について紹介してきました。特に食品衛生や調理技術の管理者レベルとなると、「人を管理・指導する立場」になりますので、当然知識だけではなく、
社会での経験値の方が重視される
ことになり、ゆえにステップアップやキャリアアップが必要となるのです。 近年では、SNSなどで幅広く支持を得ているインフルエンサーなどが台頭してることもあり、若くして自身の知識や技術を発信している人も珍しくありません。特に多いのが、フードコーディネーターであったり、料理研究家としてSNS上で活躍している人も少なくありませんが、
それはそれで人並み以上の発想や知識が必要
ではありますので、そうした趣味の延長線上と思われがちな部分が仕事として成り立つ可能性が高まってきた点も支援材料と言えるでしょう。インフルエンサーとして活躍できるようになれば、きっと各企業から案件として依頼がくる可能性もありますし、自らも常に調理の研究したり、知識を高めたりする意欲にも駆られるでしょう。
もちろん、こうしたケースはレアかもしれませんし、親御さんからすると
「せっかく卒業したならちゃんとした企業に就職して」
と言われてしまうかもしれませんが・・・
卒業後、数十年は仕事をしなければなりませんし、年を重ねるのに合わせて自らの経験や技術も高めていかないと社会での信用を構築できませんので、様々な職種にチャレンジしながら自身の将来像をイメージし、20代後半くらいまでには「自分の進むべき道をしっかりと決めておく」といったことを心がけておくと良いでしょう。
これまでもお伝えしてきたように、食に関する職種は広がりつつあり、卒業後の進路においても選択肢が豊富に広がってきています。上記で挙げたフードコーディネーターや料理研究家以外にも
・食育インストラクター
・フードスタイリスト
・フードスペシャリスト
・テーブルコーディネーター
・カフェプランナー
など、食に関する職種・肩書きは年々増加傾向にあります。
これらはいずれも民間資格だったりしますが、例えばフードスペシャリストは、食品業界全般で必要とされる一定の難易度のある資格で、食品流通や消費者目線での食文化提案、マーケティングなど、
ビジネス寄りの知識も相当に必要となってきます
ので、こうしたポジションを目指すのも調理師の知識や技術をフルに活かせる職種と言えるでしょう。
卒業後の進路・選ぶ職場においては、ある程度「運の要素」もあるかもしれませんが、選んだ会社や職種がすべてという訳ではありませんし、それで人生が決まってしまう訳でもありません。自らのステップアップを前提に、臆することなく様々な職種にチャレンジできるようなマインドを、在学時に身に付けておくことを忘れないようにしましょう。
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